東京大学社会科学研究所附属社会調査・データアーカイブ研究センター

プロジェクトの概要

プロジェクトの概要

日本の労働市場のあり方が大きく変動し、また急激な少子高齢化社会が到来したことで、私たちを取り巻く環境や制度は大きく変化しました。その影響を受けて、私たちのライフスタイルや意識も変化してきています。一方で、そのような変動社会にあっても、依然として変わらないライフスタイル、習慣、規範意識も残っています

このように、変化するものとしないものを正確に把握するためには、時系列の調査、つまり異なる時点で同じ対象に繰り返して行う調査が必要です。このような調査をパネル調査といいます。

これまで行われてきた調査は、ある単一の時点における1回限りの調査(クロスセクショナルな調査)が主流でしたが、このような調査を綿密な計画に基づいて繰り返し行うことでも、おおよその社会全体の変化を探ることは可能です。

しかしこのような調査は、毎回調査対象が変わってしまいます。ですから、どんな出来事や社会・経済の影響で、人々の行動や意識に変化が生じたのかといった正確な因果関係までは突き止めることができません。

同一の人の意識や行為の変化を追うことで、どのような要因が人々の選択に影響を与えるのか、一方、人々はどういった社会・経済的な環境に強く影響を受けるのか、といったことを、より厳密に見極めることができます。

日本的雇用環境の崩壊や景気低迷により、学校から職場への移動、女性の社会進出、少子化と高齢者介護などの、私たちの身の回りに起こる出来事を取り巻く環境も変化を遂げてきたといわれています。

しかし、このような状況は、以前に比較して、どこが変わって、どこが変わらないままなのでしょうか。このような変化に応じて、人々の行動や選択の範囲は本当に広がったのでしょうか。また、人々の価値意識は変わったのでしょうか。

こういったことを把握するためには、学問的にも、政策を考える上でも、非常に重要な意味をもっています。

以上の問題意識にたって、社会科学研究所では、若年パネル調査、壮年パネル調査、高卒パネル調査、中学生親子パネル調査の4つのパネル調査を実施することになりました。

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