東京大学社会科学研究所附属社会調査・データアーカイブ研究センター

課題公募型二次分析研究会

参加資格・条件

参加資格があるのは、大学の教員、修士以上の大学院生および公的研究機関の研究者です。民間企業および民間シンクタンクの研究員の方については、SSJデータアーカイブにデータをご寄託いただいている機関に属する方のみが参加可能です。
なお、分析方法の学習会・勉強会・講習ではありませんので、ご自身でSAS、SPSS、Stata、Rなどの統計ソフトが利用できる方、もしくはその利用方法をご自身で習得できる方の参加に限らせていただきます。

研究課題については、研究計画等を総合的に考慮し本センター協議会で審議・選考のうえ採択が決定されます。審議・選考の結果、採択されない場合もございます。予めご了承ください。

応募

今年度の応募は締め切りました。
たくさんのご応募をいただき、ありがとうございました。

2022年度

活動記録

戦後福祉国家成立期の福祉・教育・生活をめぐる調査データの二次分析

  研究の概要は こちら

地域間格差に関する計量社会学的研究

  研究の概要は こちら

子どもの生活と学びの変化にかかわる要因の解明:親子パネル調査を用いた分析

  研究の概要は こちら

社会階層の実態と変容に関する二次分析

  研究の概要は こちら

高校時の進路意識や家族関係が成人後のライフコースに与える影響に関する二次分析

  研究の概要は こちら

戦後福祉国家成立期の福祉・教育・生活をめぐる調査データの二次分析

テーマ

戦後福祉国家成立期の福祉・教育・生活をめぐる調査データの二次分析

使用データ

0001    新規学卒者(中卒)労働市場調査,1953
1207    京浜工業地帯調査(従業員個人調査)
1213    貧困層の形成(静岡)調査
1311    団地居住者生活調査
1331    「ボーダー・ライン層」調査
労働調査24 国鉄女子労働者調査
労働調査61 福祉資金行政実態調査
労働調査62 老齢者生活実態調査
労働調査63 ソーシャル・ニーズ調査

研究の概要

  2010年より申請者が東大社研と協力しながらデータ復元を開始し、また、2011〜2020年度までの10年間、橋本健二、森直人、渡邉大輔、石島健太郎の各氏が代表として協力を得ながら、社会科学研究所が所蔵する労働調査資料の復元二次分析を課題公募型二次分析研究会として行ってきた。その結果、戦後福祉国家形成期における福祉・教育・生活の様子が素描されると同時に、当時の別の統計資料との接合や、展開期の制度への目配り、世帯を対象としたデータを扱う方法の洗練、ひいては本復元データが持つ実証的射程など、こうした復元データの分析に特殊な課題も浮き彫りとなった。
  本年度は、こうした課題を引き受けつつ、これまでの分析をさらに進め、書籍刊行原稿の作成とデータの寄託を進める。具体的には、2019年度の報告会にかわる成果物としてのワーキングペーパーの書籍化を目指し、ここから、戦後の福祉国家形成期の日本社会を描く総合的な研究成果をまとめる。くわえて、「福祉資金行政実態調査」および「老齢者生活実態調査」のクリーニング作業や「国鉄女子労働者調査」等の復元作業を行い、公開可能なデータの寄託を目指しながら、萌芽的研究報告の報告を支援しあっていく。また、そのために、2か月に1回程度、研究会を行い、書籍原稿の検討、新しい分析内容についての報告、必要に応じて集中的なクリーニング・コーディング作業を行う。この作業のなかで、若手研究者に作業補助を仰ぐ。このほか、当時の調査にかかわった研究者への聞き取り調査を必要に応じて行う。これらの作業と分析報告を積み重ねていくことにより、復元データの二次分析からこそ新たに生み出される戦後社会像の析出を目指す。

活動記録
2022/05/23第1回研究会を開催しました。

地域間格差に関する計量社会学的研究

テーマ

地域間格差に関する計量社会学的研究

使用データ

学校生活と将来に関する親子継続調査
東大社研・若年パネル調査(都道府県情報を含むデータ)
東大社研・壮年パネル調査(都道府県情報を含むデータ)

研究の概要

 本研究は、地域を原因とする、あるいは地域を媒介する形で個人間の格差・不平等が形成されていく過程を明らかにすることを目的とする。特に日本の社会学で格差・不平等について扱う分野として教育社会学、社会階層論の影響力は大きい。一方で、アメリカでは都市社会学の視点を含む格差・不平等に関する研究が盛んである(Sampson et al. 1997; Sharkey 2008; Alvarado 2018など)。これらの研究は主に2つのアプローチによって進んできた。第1に横断的データを用いたマルチレベル分析であり、第2に縦断的データを用いたパネルデータ分析である。本研究は主にこの2つのアプローチを用いることで、これまでの教育社会学、社会階層論とは異なる観点から格差・不平等について説明することを試みる。予測される主な仮説は以下の通りである。
 青年期に豊かではない地域に居住していた経験があると、青年期以降の教育達成、職業達成に負の影響がある。
 青年期に豊かではない地域に居住していた経験があると、青年期以降に居住する地域もまた豊かではない地域となる。
 居住地域が豊かではないことは、社会意識形成に負の影響がある。
なお、上記のデータに加えて、国勢調査等の官庁統計データや各自の調査データの利用も可とする。

子どもの生活と学びの変化にかかわる要因の解明:親子パネル調査を用いた分析

テーマ

子どもの生活と学びの変化にかかわる要因の解明:親子パネル調査を用いた分析

使用データ

1363 子どもの生活と学びに関する親子調査Wave1~4
1371,1372 高校生活と進路に関する調査2018,2019
子どもの生活と学びに関する親子調査Wave5~7

研究の概要

 ベネッセ教育総合研究所が東京大学社会科学研究所と共同で行う「子どもの生活と学びに関する親子調査」については、2020年度に課題公募型、2021年度に参加者公募型の形式で2次分析研究会を開催し、のべ17本の論文が執筆されるなど、大きな成果を上げてきた。一方で、小1から高3までの幅広い学年、親子のダイアドデータ、生活と学習に関する幅広い質問内容、高3卒業時サーベイや語彙力・読解力調査などの異なる調査の組み合わせといった特徴を最大限に生かすとすれば、いっそう多様な観点での研究が可能である。さらに、調査年度を重ねることで、Wave1~7までの7時点のデータが蒐集された。これにより、小学校から中学校への移行、中学校・高校生活を経て高校卒業までの成長といったより長期の親子の変容を分析することができる。とはいえ、このことは、扱う変数やデータの分量が増え、分析の困難が増すことも意味する。大量なデータのどこに有意義な学問的・実践的イシューを見いだすか、分析者のシャープな視点も求められる。こうした分析手法の進化・深化や重要な論点の抽出も、2次分析研究にとって新しい価値を生み出すことにつながると考える。本研究会では、こうした大きなポテンシャルが内在する同調査を用いて、子どもの生活と学びの変化にどのような要因が関わっているのか、主に個人の変化に注目した分析を行う。多様な学問領域の背景をもつ参加者とともに、学際的に議論を進める。

活動記録
2022/06/16第1回研究会を開催しました。

社会階層の実態と変容に関する二次分析

テーマ

社会階層の実態と変容に関する二次分析

使用データ

0759~0764 1955~2005年SSM調査,1955~2005
PY100 東大社研・若年パネル調査(JLPS-Y)Wave 1-10, 2007-2016
PM100 東大社研・壮年パネル調査(JLPS-M)Wave 1-10, 2007-2016

研究の概要

 SSJデータアーカイブでは多くの社会調査のデータが公開されてきており、社会階層研究を行う上で、様々なアプローチが可能になった。また、統計法の全部改正によって、様々な公的統計の個票データが活用可能となった。公的統計データの社会科学的研究への活用は、主に経済学を中心に行われてきたが、大規模なサンプルから、格差・不平等の詳細やトレンドを明らかにすることができる公的統計データは、社会学にとっても極めて貴重である。公的統計データが利用できるようになってから数年が経過し、社会学においても様々な分析が試みられているが、まだ十分に分析されているとは言い難い。そこで本共同研究では「国勢調査」「就業構造基本調査」「国民生活基礎調査」「21世紀出生児縦断調査」「21世紀成年者縦断調査」「学校基本調査」を中心とした様々な公的統計データを活用した社会階層に関する分析を行う。具体的には、公的統計の個票データの分析により、これまでサンプルサイズが小さく分析の困難であった無業者の分析や、世帯構造を加味した分析、夫婦や親子の分析、疑似パネルデータの作成、そして職業や学歴ごとの収入の推定などを行う。その際、SSJデータアーカイブに寄託されている様々な社会調査データと結果を比較する分析や、公的統計から作成された結果を社会調査データとリンクさせた分析を行う。

高校時の進路意識や家族関係が成人後のライフコースに与える影響に関する二次分析

テーマ

高校時の進路意識や家族関係が成人後のライフコースに与える影響に関する二次分析

使用データ

0873 高校生と母親調査、2012
1064 高校生と母親調査、2012(偏差値データ)
高校生と母親調査(追跡調査)、2016

研究の概要

 本共同研究の目的は、高校2年生とその母親を対象として行われた「高校生と母親調査、2012」(調査番号0873)およびそのフォローアップ調査(2016年)のデータを用いることで、高校2年時の高校生本人の意識や態度だけではなく、母親の意識・態度が出身背景の影響を媒介して、その後の決定進路に対してどのような影響を与えるのかを多角的に明らかにする。本調査データの特徴としては、高校2年生の社会経済的背景(親の学歴,職業,世帯の収入など)が母親の回答からより正確に分かるだけではなく、進路選択に関するさまざまな意識(進路についての負担や便益,職業達成についての見込み)などをたずねており、進路選択やその格差・不平等についての詳細なメカニズムにアプローチすることが可能である。また、フォローアップ調査からは、進路先の学部・学科も含めた決定進路、奨学金の利用状況、その時の家庭の社会経済的状況などについても把握可能であり、これらの情報を活用した分析(たとえばSTEMについての分析)も可能となっている。さらに親子ペアのデータであるため、母親の意識と子どもの意識のズレやどちらが決定進路に対してより影響力があるのかについて注目した分析も可能となっている。実際に高校2年時のときにたずねた情報と回顧的な情報のズレや親に直接SESに関する変数についてたずねる場合と子どもに回顧的にたずねる場合との差をみることも可能である.このようなデータを用いた様々な分析の可能性や今後の新たな調査の課題を検討しつつ、日本における進路選択や教育格差生成のメカニズムにアプローチする。

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